思春期が来るのはいつ?遅めだけど大丈夫?

最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline

思春期が始まる時期には個人差があります。ただし、一定の時期より早かったり遅かったりする場合には、治療が必要な病気が隠れていることがあります。今回は思春期が遅めの場合の注意点についてお話しします。

早めの場合は「この年齢で思春期?ー早く思春期がきたときに考えるべきこと」をご参照ください。

思春期の始まりのサインは身長の伸び、女の子は乳房のふくらみ、男の子は精巣の増大

思春期になると、脳の下垂体という部分から性腺刺激ホルモンが分泌され、そのホルモンに刺激された性腺(卵巣・精巣)から性ホルモンが分泌されます。その2つのホルモンによって二次性徴があらわれてきます。

二次性徴において、女の子は9~10歳から「乳房がふくらむ」、男の子は11~12歳から「精巣が大きくなる(精巣容積3~4mL、長径2.5cm)」ことから始まります。また、性ホルモンは骨の成長にも関わっているため、思春期の始まりには身長の伸び率が上がり、成長曲線が上向きになります。そのため、思春期の始まりのサインとして身長の伸び率も参考になります。

その後、女の子は「陰毛が生える」「初経」と進み、男の子は「陰茎が大きくなる」「陰毛が生える」と進んでいき、3~5年で性成熟が完成します。

一定の時期より思春期が遅れている場合には受診しましょう

女の子は13歳、男の子は14歳を過ぎても二次性徴が見られない場合には「思春期遅発症」と考えられます。その場合、ただ遅れているだけなのか、治療が必要な遅れなのかを調べるために受診をお勧めします。また、二次性徴が始まったのは遅くなくても途中で止まってしまったり(乳房はふくらんだが初経がないなど)、二次性徴が始まってから5年以内に全ての二次性徴が完了しない場合にも小児科を受診しましょう。

思春期が遅れているお子さんは、一般的に低身長なことが多いです。思春期の始まりとともに成長するため、大人になれば背が高くなっていることが多いですが、思春期の始まりに低身長の程度が大きいと後々伸びにくいといわれています。成長曲線をつけて−2SDの低身長に気付いた場合や、急に曲線から外れて身長が伸びなくなってきた場合にも、専門医に相談することをお勧めします。

低身長については「子どもの身長が低いかも!病院に行くときはどんなとき?」もご参照ください。

原因は体質的な場合も多いですが、病気が隠れていることもあります

思春期の遅れは、体質的なことが原因で特に治療が必要ない場合も多いです。ただし、性ホルモン分泌に関わる脳の下垂体や卵巣・精巣の病気、糖尿病・甲状腺など他のホルモンの病気などが隠れている可能性もあります。

 

検査には、ホルモンの値などを調べるための血液検査、骨の成長を見るための手のレントゲン、下垂体の病気がないか見るための頭部CTなど、必要に応じて原因をみつけるための検査します。

思春期が始まる時期ついて不安なことがある場合には、小児科医に相談することをお勧めします。

 

 

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからもお子さんの内分泌や成長に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 岡野彩子

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