最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline
「体重、ちゃんと増えているかな?」「おっぱいやミルク、足りているのかな?」毎日の子育ては心配が尽きないですよね。
この記事では、生後すぐ〜6ヶ月くらいのお子さんについて、体重増加の考え方をご紹介します。
※ 早産でお産まれのお子さんについては、「早産児の体重増加の考え方」もあわせてご覧ください。
「1日○g」という明確な基準はありません
体重については、よく「1日あたり○g増えている」という言い方をします。たとえば「体重が5日間で100g増えている」場合は「1日あたり20g増えている(100g÷5日)」ということです。
しかし「1日あたり何g増えていれば安心」という絶対の基準はありません。「1日あたり14g」という文献(1)もあれば「20g」としている文献(2)もあります。
ちなみに「増えすぎ」の基準も明確にはありませんが「1日あたり約30〜50g」が正常範囲だろう、としている文献(2)が多いです。特に母乳については制限する必要は全くなく、お子さんが欲しがるだけあげるのが原則です。
だんだん体重増加はゆるやかになっていきます
生後すぐ〜3ヶ月くらいまでは、ぐんぐんと体重が増えます。しかしそれ以後は、体重増加がゆるやかになっていきます。
母子手帳の後ろについている、成長曲線のカーブを見てみましょう。産まれて1ヶ月くらいまでは、ぐんぐんと右肩上がりですが、生後3〜4ヶ月くらいから、かたむきがゆるやかになっていますね。
実際に生後6ヶ月〜1歳までの体重増加については、1日あたり10〜15gほどでも正常です(3)。
生後数ヶ月が経つと、「あれ?前より体重が増えなくなったかも?」と心配しがちですが、だんだん増加がゆるやかになるのは正常な成長なのですね。
「1日15g未満」「活気がない」などは受診の目安
お子さんの体重などについて、受診を検討する目安は、次のとおりです。
- 生後0〜6ヶ月のお子さんで、体重増加が「1日15g未満」の場合
- 飲む意欲がない・活気がない場合
- おしっこの回数が少ない場合(1日に5回以下など)(4)
なお、必ずしも体重を毎日測らないといけないわけではありません。
特に医師からの指導がない場合は、生後2週間、生後1ヶ月(健診)、生後3~4ヶ月(健診)など、2週間~1ヶ月ごとくらいの測定でも問題ない、と考えるのが一般的です。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
小児科オンラインはこれからもお子さんの体重に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 白井沙良子)
参考文献
1. 小児科医と母乳育児推進, 日本小児科学会雑誌 115巻 8号, 2011, p.1363-1389
2. 改訂版乳幼児健康診査身体診察マニュアル, 国立成育医療研究センター, 2021
3. 小児科医と母乳育児推進, 日本小児科学会雑誌 115巻 8号, 2011, p.1363-1389
4. 阪下和美, 正常ですで終わらせない! 子どものヘルス・スーパービジョン, 東京医学社, 2017